メタ、AI投資優先で約8,000人の追加解雇を開始
米メタ・プラットフォームズ(以下メタ)は2026年4月23日、社内メモで約8,000人(全従業員の約10%)を削減すると発表しました。対象者には5月20日から順次メールで通知され、同社のAIインフラ投資を優先する「痛みを伴う選択」と位置付けられています。
解雇の背景:膨らむAI関連コスト
メタは2026年の設備投資(CAPEX)見通しを1,250~1,450億ドルへ引き上げており、その大半が大規模GPUやデータセンターなどAI基盤に充てられます。マーク・ザッカーバーグCEOはタウンホールで「当社の最大コストは〈コンピュート〉と〈人員〉だが、AI計算資源への資金配分を優先せざるを得ない」と説明しました。
主なポイント
- 解雇規模:8,000人(10%)+未充足の求人6,000件を取り消し
- 再配置:7,000人をAI関連チームへ異動
- 影響部門:インテグリティ(有害投稿対策)、サイバーセキュリティ、コンテンツデザイン、Reality Labsなど
- 米国での退職金:16週間分の基本給+勤続1年ごとに2週間分、医療保険延長・就職支援付き
従業員へのメッセージ
チーフ・ピープル・オフィサーのジャネル・ゲイル氏はメモで「歓迎されない知らせだが、AI強化に伴う最善策」と説明し、影響を受ける従業員への「寛大な」支援を約束しました。
過去のリストラとの違い
メタは2022年11月に11,000人、2023年春に10,000人を削減済みですが、今回はAI投資を明確な理由とした初の大規模整理です。過去は「効率化」と「メタバース事業見直し」が中心でしたが、今回は生成AI・音声エージェント・Meta Superintelligence計画といった新規プロジェクトが資金を吸収しています。
市場と社内の反応
発表直後、同社株価は小幅高にとどまり、市場はAIへの積極投資を好感する一方、社内では「自分たちの業務データがAI訓練に使われる」と士気低下を訴える声も報じられています。
今後の見通し
ザッカーバーグ氏は「年内に追加の全社規模解雇は想定していない」と述べつつ、AIインフラ費用が読めないためさらなる人員調整の可能性を否定していません。投資家・従業員ともに、AI投資と雇用維持のバランスを注視する必要がありそうです。
