スペースX、スターシップで初の有人火星フライバイを発表 ― 指揮官は暗号資産億万長者チュン・ワン氏

スペースXがスターシップによる初の有人火星フライバイミッションを発表。宇宙船が空に向かって打ち上げられるシーンを捉えた画像。

スペースX、スターシップで「初の有人火星フライバイ」ミッションを正式発表

アメリカ・テキサス州スター ベースで2026年5月22日(米国時間)に行われたスターシップ V3 の打ち上げ配信中、スペースXは「スターシップ初の有人火星フライバイ・ミッション」を公表しました。民間人として初めて指揮を執るのは暗号資産業界で知られる実業家チュン・ワン(Chun Wang)氏です。

ミッションの概要

  • 目的:火星への接近通過(着陸はせず周回せず)と地球帰還
  • 期間:往復およそ2年間を想定
  • 打ち上げ時期:具体的な日程は未定。最短で次の地球―火星遷移ウィンドウが開く2026年末〜2027年初頭、または2028年が候補とされています。
  • 乗員:指揮官チュン・ワン氏のほかは未発表
  • 使用機体:スターシップ(バージョン3)+スーパーヘビー

指揮官チュン・ワン氏とは?

ワン氏はビットコイン・マイニングプール「F2Pool」の共同創業者で、2025年にスペースXの民間極地周回ミッション「Fram2」を指揮した経歴を持ちます。探検家として150か国以上を訪れた経験があり、「次は火星で地球から最も遠い旅を」と語っています。

スターシップ V3 の進捗

今回の発表は、新型スターシップ V3の初試験飛行(12回目の統合飛行試験)のライブ配信中に行われました。V3 はこれまでの試験機よりも推進系と耐熱シールドを強化し、「月面・火星運用を視野に入れた初の実運用型」と位置づけられています。

火星フライバイが持つ意義

着陸を伴わないとはいえ、有人宇宙船が地球圏を離れ数億km規模の深宇宙を航行するのは人類初の試みです。以下の技術検証が期待されています。

  • 長期間のライフサポート放射線対策
  • 地球近傍外での推進系再点火とコース修正
  • 軌道給油を含むスターシップ運用フローの確立

今後の課題と展望

打ち上げまでには、スターシップの有人認証や軌道給油システムの実証など、いくつかのマイルストーンが残っています。また、NASA のアルテミス計画でもスターシップは有人月面着陸船に採用されており、火星フライバイは同社の深宇宙クルー輸送技術を前倒しで検証する絶好の舞台になると期待されています。

まとめ

スペースXが示した「火星へ人を送り返す」という具体的ロードマップは、多くの人に“火星をより身近に感じさせる”第一歩となりました。今後発表される詳細なクルー構成や打ち上げ計画に注目が集まります。